院長の筒井です。
夏の暑さもやわらぎ、少しずつ涼しさが出てきましたね。
夏の初めにバッサリと選定て丸坊主にしてしまった観葉植物のウンベラータも元気に新しい葉が生えそろってくれて形が整ってきました。そんな植物の力強さを感じる今日この頃です。
今回は「ハムスターの脱毛症(毛包虫症)」についてご紹介します。
ロボロフスキーハムスター・チューチューちゃん(初診時)チューチューちゃんの症例
2週間ほど前から脱毛が目立ってきたロボロフスキーハムスターのチューチューちゃん。検査の結果、ニキビダニ(Demodex属)が見つかりました。
ニキビダニは健康な動物にも常在する寄生虫ですが、免疫力が下がったときに増殖し、皮膚病の原因になることがあります。
診断名:毛包虫症

なぜ発症するの?
免疫力の低下
- 栄養の偏りや不良
- 高齢
- 慢性疾患や内臓の病気
- ストレス(環境の変化・過密飼育など)
寄生虫の増殖
- ハムスターには数種類の Demodex が常在しており、増殖すると脱毛や赤みが出ます。
主な症状と診断
症状
- 腰や背中の脱毛
- 皮膚の赤み、フケ
- 軽いかゆみ
診断方法
- 皮膚検査を行い、顕微鏡でダニや卵を確認します。
治療について
駆虫薬
- フルララネル等の駆虫薬を体重に合わせて投与
- 投与量は慎重に計算し、副作用を観察
環境・体調の改善
- バランスの良い食事を与える
- ケージ環境を整え、ストレスを減らす
- 必要に応じて基礎疾患の検査も行う
支持療法
- 漢方薬や抗炎症薬で免疫をサポート
- 保温や湿度管理で皮膚の回復を助ける
チューチューちゃんの治療経過
当院ではまず、身体への負担が少ない漢方治療をスタートしました。ハムスターはとても小さい動物のため、滴下薬の調整が難しいことも多いですが、漢方は身体に優しい選択肢です。
2週間後の再診では毛艶がよくなり、脱毛部分から新しい毛も生えてきました。動きも前より活発になっていました。




その後、投薬を休止すると再発が見られたため、フルララネルの滴下薬も併用しました。いずれも皮膚症状は改善し、元気に過ごせています。


まとめ
ハムスターの毛包虫症は、身体の免疫力や生活環境が大きく関わる疾患です。
当院では西洋医学に加えて、漢方などの中医学も積極的に取り入れています。小さな身体に負担をかけない治療もご提案できますので、気になる症状がありましたらお気軽にご相談ください。
また、昨今は秋らしい季節が少なく、夏から急に冬のように寒くなる気候が続いています。すべての動物において(我々人間(飼い主)もデス!)、季節の変わり目は体調の変化に注意が必要です。異変があれば、なるべく早めに病院へご相談ください。
さらに漢方による治療は、病気になりにくい身体づくりにも役立ちます。「未病」「養生」を意識して、健康寿命を長くし、健やかな生活を心がけましょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました。







